技術評論社から出版されている「みんなの○○シリーズ」の1つとして、「みんなのKotlin 」という本を共著で執筆させて頂きました。
私は4章のKotlin Multiplatform Project(MPP)の章を担当しています。
2020年1月29日 本日発売です!! 🎉
概要
章は全4章で構成されていて、1章1章はそこまで長くないので、本腰を入れてさぁ読むぞ!というテンションというよりは、 通勤時間に1章ずつ読むか ぐらいのテンションで割とサクッと読める本だと思います。
対象者
Kotlinの文法とかは一通り学び終わっていて、これから業務でKotlinを使ってアプリケーションを作るぞ!という方向けに書かれています。
なので、既にサーバ, Android, MPPでバリバリ使っているぞ!という方にとって専門分野の内容に関しては正直物足りないかもしれません。
これからKotlinを始めるぞという方には、Kotlinの言語仕様に関しては、JetBrainsの中の人が書いた「Kotlin in Action」がオススメです。
日本語の翻訳本の方は査読という形で私も関わらせて頂きました。
- 翻訳本
- 原著
少し古くなってしまいますが、Javaからの移行する層をターゲットにした「Kotlin助走読本」というPDFが無料で公開されているので、そちらもオススメです。
こちらもいくつかの章を書かせて頂きました。
1章 Kotlinの始め方
実務におけるKotlinの記法やktlint, Arrow, Contractsについて軽く説明されています。サラッと流し読み出来る内容だと思います。
2章 Android
Androidの章はKotlinに焦点を絞って、Kotlinの機能であるinlineやreified, 委譲プロパティをどう活かすかを解説していたり、JetpackやktxなどのAndroid用ライブラリの説明からテストまで、幅広く書かれています。
これからKotlinでAndroidの開発をするぞ、という方にとってはオススメです。
3章 サーバサイド(Spring)
SprintフレームワークとKotlinを使って、テストまでを含むアプリケーション開発する一通りの流れについて書かれています。
WebFluxやCoroutinesも組み合わせて書かれているので、実践的なテクニックを学べます。
普段はクライアントを専門としているので、個人的には一番ためになりました。
4章 最新情報(Coroutines, MPP)
4章はKotlinの新機能ということで2節立てになっていて、1節はCoroutines, もう1節は私が担当したMPPになっています。
草案当初は2019年の春頃だったこともあり、CoroutinesもMPPもKotlinにおける最新情報という感じでしたが、CoroutinesはすっかりKotlinの顔?となり最新とは言えないかもしれません。
Coroutinesの内容としては、入門的な内容で最近StableにもなったFlowまでが一通り学べる形になっています。
MPPはまだβ版で書けるところが少なく、Kotlin Festの発表を聞いて頂いた方は7割くらいは聞いたことある内容となっているので、 物凄く参考になるかと言われると正直微妙なのですが、発表では触れられなかった箇所にもいくつか触れていて、MPPって最近よく聞くけど実際どうなの?使い物になるのか一通り試してみたい! みたいな方にはオススメの内容となっていますので、お布施ぐらいの気持ちで買って頂けるとありがたいです。
まとめ
紙の本を見てみると分かる通り、思ったより薄い本です。
早い人は平日の2,3日で、1週間もあれば余裕で読み切れる内容なので お気軽にどうぞ。
Kindle版も出ましたので、紙の本は要らないよって方も是非!
書いてみての感想
過去に本を書いた先生方はこぞって大変だから二度とやりたくないと言うので、執筆が決まった頃は恐れていたのですが、想像通りの大変さでした。
以前ReVIEWを使って書いた時は、レイアウト等を自分で色々調整したりして大変だったのですが、今回は出版社の方の協力があったので、
Markdownで書いたテキストファイルを渡したら、全てよしなにして頂き さすがプロという感じでした。
一生に本を書いて出版社から出版する経験を出来る人が多くはないので、それはとてもいい経験になって良かったです。機会を頂きありがとうございました。